SMAK in Ghent: colored dots on floor

ゲントの町を歩けば、至る所で歴史的建造物に出会えます。その数は、ベルギーのほかのどの都市よりも多いといわれるほど。

美術館と博物館

Stam Museum Ghent: courtyard - ©Phile Deprez

ゲントには、ぜひ訪れたい美術館・博物館が数多くあります。ゲント市立現代美術館(SMAK/Stedelijk Museum voor Actuele Kunst)は、1945年以降の、ベルギー内外の芸術家のコレクションを収蔵する美術館です。ベルギー出身のパナマレンコ、ブロータス、あるいはイギリスのホックニー、アイルランドのベーコン、ドイツのヨーゼフ・ボイスなどの作品に出会えます、個性的な企画展も人気。ゲント=シント=ピータース駅近くにあるシタデル公園の中に位置しています 。

その向いにあるゲント美術館(MSK/Museum voor Schone Kunsten)は、ヒエロニムス・ボスからマグリットまで、14〜20世紀前半のフランドル美術を中心に、ヨーロッパの巨匠たちの絵画や彫刻を展示しています。近代のセクションでは、シント・マルテンス・ラーテム派(ゲント近郊の「芸術の村」と称される風光明媚な地を拠点にした画家たち)とフランドル表現主義に重点を置いています。

ゲント市博物館(STAM/Stadsmuseum)は2010年に改装オープンした博物館で、中世から近代までのゲントの歴史を、マルチメディアを駆使してビジュアルに分かりやすく紹介しています。博物館は歴史的なベイローク地区にあり、14世紀のシトー派修道院であるベイローク修道院の中に設けられています。そのゴシック様式の建物も残されていて、きれいに保存された中庭やチャペルも見所。美しいコンサートハウス「ベイローク」など、文化・教育施設も入っています。

産業歴史博物館(MIAT/Museum voor Industriele Archeologie en Textiel)は18世紀の産業革命期から現代までの歴史を、産業遺産をテーマに追った博物館で、蒸気エンジン、蒸気タービン、再現されたかつてのレモネード工場のアトリエなどを見ることができます。博物館が入っている建物は昔の綿工場を利用したもので、町の北に位置しています。

もう1つ、ぜひ訪れたいのがゲント・デザイン・ミュージアム(Design museum Gent)です。(壮麗なファサードを持つ18世紀ブルジョアジーの邸宅を利用した博物館で、当時のままに再現された部屋では、17、18世紀の贅沢なインテリアを見ることができます。新たに拡張された展示スペースはモダンに改装され、家具・調度品、食器などの豊富な産業芸術作品を集めた博物館になっています。ヴィクトール・オルタをはじめとするアールヌーヴォーやアールデコの作家の見事なコレクションや、20世紀後半および現代作家の作品はとても見応えがあります。

祭壇画「神秘の子羊」

The Adoration of the Mystic Lamb  - Jan Van Eyck - ©Lucasweb.be, http://www.lukasweb.be/en/photo/the-ghent-altarpiece-open-152
1432年にファン・アイク兄弟が描いた、中世フランドル絵画の最高傑作と賞賛される祭壇画「神秘の子羊」は、兄フーベルトが描き始め、その死後、弟のヤンが完成させたとされています。祭壇画は、表裏合わせて20数枚のパネルで構成されており、中央下段のパネルに、祭壇に立つ白い子羊(キリストを現す)を天使たちが取り囲む様子が描かれています。フレミッシュ・プリミティブ(16世紀以前のフランドル絵画)の特徴である、細部にいたるまでの綿密な描写や豊かな象徴性に目を奪われます。

祭壇画は、宗教改革時のプロテスタントによる聖像破壊運動を逃れ、ナポレオン支配時代にフランスに持ち去られ、第二次世界大戦の間ナチスドイツによって接収されるという紆余曲折を経ながら、現在は、それが本来あった場所、聖バーフ大聖堂の静謐な一画に飾られています。実は、パネルの1枚「正義の裁判者たち」は1934年に盗難に遭ったまま未だ見つかっていないため、ここには複製画が置かれています。

現在、祭壇画「神秘の子羊」は大規模な修復作業が行われています。修復中のパネルはその作業風景も含めて、ゲント市美術館で、その他のパネルは聖バーフ大聖堂にてご覧いただけます。
詳しくはこちらのページ をご覧下さい。

オペラ・バレエ・フランダース

ゲントとアントワープを本拠地とするオペラ・バレエ・フランダースは、そのレベルの高さで海外でも好評を博しています。ゲントに宿泊したらぜひ、贅沢なオペラの夜を楽しんでみましょう。美しいオペラハウスのバックステージツアーも実施しています。

文化・歴史遺産

Gravensteen - (c)www.milo-profi.be

フランドル伯の城

歴史・文化遺産を辿る街歩きは、フランドル伯の城から始めてみましょう。1180年に造られたこの城はフランダース地方に残る唯一の中世の城塞です。堅固な城の内部を歩けば、狭間胸壁、兵器庫、拷問の部屋など、当時の城の特徴をいくつも見ることができます。城は町の中心部にあり、ほとんど戦闘を交えることがなかったため、ほぼ初期のままの状態で残されています。

パーテルスホル

城の北東に広がるパーテルスホルはゲントで最も古い地区で、15世紀の中世の面影を残す路地が入り組んでいます。建物のほとんどは17世紀に建てられました。18世紀以降は労働者の住宅地区となり、20世紀に一時荒廃しましたが、その後修復が施されました。現在はお洒落なレストランやビアカフェが集まる、洗練されたエリアとして注目されています。

運河に映えるグラスレイとコーレンレイ

ゲントを象徴する美しい風景といえば、レイエ川の両岸、グラスレイとコーレンレイと呼ばれるエリアです。ここはゲントで最初の貿易港となった所で、両沿岸に立ち並ぶ当時のギルドハウス、倉庫、館などはゲントの繁栄の証。フランダースのルネサンス期あるいはそれ以前の壮麗なファサードが見事です。

コーレンマルクト広場とその周辺

グラスレイの東には町の中心的広場コーレンマルクトがあります。その先には歴史的建造物が集まっています。まず、13世紀のゴシック建築の傑作、聖ニコラス教会。その近くに立つ市庁舎は、建物の半分は16世紀初期のゴシック様式、残りの半分がルネサンス様式という2つの建築様式で、市庁舎としてはヨーロッパ最大のものです。13世紀末にギルドによって建てられた鐘楼は高さ91m。隣接する繊維ホールは15世紀に建てられ、ともに商業で栄えた当時をしのばせます。

それらと向かい合って建つ、聖バーフ大聖堂は12世紀に建築が始まり16世紀に完成した、後期ゴシック様式(一部はロマネスク様式)の堂々たる建物。内部も荘厳な雰囲気で、豪華な装飾が施されています。祭壇画「神秘の子羊」のほか、ルーベンスの絵画など貴重なコレクションがあります。

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